風牌とは?
風牌は、条件に応じて役牌になる。攻守で利用価値の高い便利な牌。関連用語として、場風、自風、客風がある。
風牌は、麻雀の対局中に攻撃にも守備にも使える牌として、利用価値が高い時もあれば、真っ先に打牌されてしまう不要牌にもなりやすい牌です。
そんな風牌の事を様々な角度から説明していますので、初心者の方は知識面と技術面で参考にしていただければと思います。
1.麻雀の風牌とは何か?
風牌(カゼハイ)とは、字牌の中でも の4種類が該当する牌で、風牌の読み方には、「フォンパイ」や「フォンハイ」と言う事もあります。
1-1.麻雀の役牌は風牌と三元牌
風牌を紹介するときには、やはり一緒に三元牌(サンゲンパイ)も覚えておくのが便利で良いといえます。
麻雀牌は、大きく2つに分類をすると、風牌や三元牌からなる字牌と萬子(マンズ)・索子(ソーズ)・筒子(ピンズ)からなる数牌になります。
ここでは、字牌の仲間である、風牌と三元牌について紹介をしていきますが、字牌の場合は、数牌のように順子(シュンツ)という概念はありませんので注意をして下さい。
例)連続して揃っていてもメンツにはならない
槓子とは言わない形
刻子でも順子でもない形
字牌の場合は、雀頭や七対子の時などの対子(トイツ)をはじめ、同種を3枚揃えた刻子(コーツ)や4枚揃えた槓子(カンツ)として使用します。
例外として、※国士無双などの時には単独でも力を発揮しますが、国士無双はあくまでも特殊な役満という事で認識しておくことが必要だといえます。
例)
対子
刻子
槓子
風牌の読み方
トン
ナン
シャー
ペー
1-2.風牌の由来と意味
風牌は、東南西北となっているので、方角を表していると思っている人もいるかもしれませんが、実は将軍の階級が由来となっていると言われています。
麻雀の完成した時の中国では、最も最上位の将軍を東将軍と呼び、以下南将軍、西将軍、北将軍の順位になっていたとされています。
この階級にならって、麻雀も東を親として、順に南、西、北となっているという説がありますが、諸説ありますので、この由来が絶対という訳ではありません。
2.麻雀の風牌と役牌のポイント
ここからは、風牌の事について集中して説明をしていますが、麻雀初心者の人にとっては、覚えておくべき内容になっています。
役牌という役は、三元牌はどの牌も常に役牌になるのに、風牌は役牌になる時とならない時があります。
パソコンゲームの麻雀をやっていると同じ風牌なのに上がれる時と上がれない時があると疑問に思っている初心者の方もいるかもしれません。
2-1.役牌とは何か?
役牌というのは、ルールにもよりますが、一般的に面前でも副露をしても「一翻役」として認められている立派な役になります。
役牌は、字牌にのみある役で、三元牌と条件付が揃っている風牌の刻子(コーツ)か槓子(カンツ)を揃えると成立します。
■常に役牌の対象になる牌
■条件がそろっている時にのみ役牌の対象になる牌
東場の時と自風牌の時
南場の時と自風牌の時
西場の時と自風牌の時
北場の時と自風牌の時
一般的に麻雀を行なう時は、※半荘で行う事が多いので、西場と北場は、あまり使用されない事が多くなっています。
場風牌や自風牌という見なれない言葉が出てきていますが、この条件を満たした時に役牌として成立しますので、順番に説明をしていきます。
■半荘についてもっと詳しくは
知っておきたい麻雀のゲーム単位!局と半荘を誰にでもわかりやすく解説
2-2.麻雀の場風牌(バカゼハイ)とは
場風牌(バカゼハイ)というのは、対局中に今行っている「場」が対象となる牌のことで、東場なら、南場ならが、場風牌として役牌の対象になります。
一般的な麻雀は、半荘で行う事が多いので、東1局~東4局までは、東場なので、が場風牌となり、南1局~南4局は、南場なので、が場風牌です。
2-3.麻雀の自風牌(ジカゼハイ)とは
自風牌(ジカゼハイ)というのは、対局中に今行っている局に対する自分の風の事になります。麻雀の1局には必ず親がひとりいます。親の事を東家、親の右隣を南家、親の対面が西家、親の左隣が北家となります。
つまり親を基準に反時計周りに東南西北となります。
そして自風牌は、東家の人は、南家の人は、西家の人は、北家の人はというように自身の風と牌が同じになるのでわかりやすいといえます。
当然、局が進むと自分の風も変わっていきますので、その都度自身の自風牌は変っていくことになります。いつも親が誰であるかを確認して下さい。
東家の人が、東場で東の刻子や槓子をそろえると、場風牌と自風牌のそれぞれの役牌が役として成立するので、二翻となり、「ダブトン」と言う事があります。
2-4.麻雀の客風牌(キャクフウハイ)とは
客風牌は、キャクフウハイやコーフォンパイという呼び方が正式な名称になっているのですが、一般的に「オタカゼハイ」や「オタ風」と呼ばれています。
オタ風牌は、上記で説明している、「場風牌」にも「自風牌」にも属さない風牌のことです。この時には、役牌として成立しないので、注意が必要になります。
役牌として認められている牌を雀頭にして、ピンフの形態で上がってもピンフは認められませんが、オタ風牌であれば、※ピンフの雀頭として認められています。
■ピンフ役についてもっと詳しくは
2-5.風牌と役牌の対応
半荘で対局を行う時の風牌と役牌の対応については、下記の通りになっています。
■東場の時のそれぞれの役牌(場風と自風)
・東家 と(ダブトン)
・南家 と
・西家 と
・北家 と
■南場の時のそれぞれの役牌(場風と自風)
・東家 と
・南家 と(ダブナン)
・西家 と
・北家 と
上の表にない牌の場合は、役牌にはなりませんので、当然その手だけでは上がる事はできませんから、他の役をつくる事になります。
3.麻雀の風牌の活用方法
ここでは、初心者でもわかりやすい風牌を使った実践で行える基本的な戦術を説明していきます。
3-1.風牌の攻撃としての利用方法
風牌を攻撃用の牌として考えた時の主な利用法について考えてみましょう。
3-1-1.親ならば速攻で上がる
役牌になる字牌は、「特急券」と呼ばれる事もあるくらい便利な牌になる事もあります。
特に自身が親の時は、できるだけ早い段階で聴牌から上がる事を目指すのが麻雀の基本になります。
役牌の対象になる牌が「刻子」で揃うようであれば、迷わず「ポン」をしてしまって良いと思います。
確かに麻雀には、面前を基本として考える人もいるので、「二鳴き」といって、1回目の捨て牌は、鳴かないという考え方もあります。
自分が子の場合は、この考え方もあてはまりますが、親である以上は、何よりも上がる事を最優先に考えるべきなので、1枚目でも副露して問題はありません。
「カン」の場合は、ドラが増えるという魅力はありますが、面前で役牌が揃っているのですから、暗槓なら「カン」もありますが、明槓なら鳴く必要はないといえます。
ちなみに、暗槓(アンカン)というのは、刻子がある状態で、4枚目をツモした時の槓です。明槓(ミンカン)は、他家の捨て牌を副露した時の槓になります。
暗槓と明槓の違いは、表ドラは共に利用可能になりますが、裏ドラは※リーチが必要なので、暗槓のみのドラになります。
自分が、親の時は得点が大きいことが悪い訳ではありませんが、子の1.5倍という特権を利用しない手はありません。
特に東場の親であれば、「東」だけで二翻になるので、まさに特急にふさわしい速攻ができる牌になると考えられます。
■役牌についてもっと詳しくは
3-1-2.自風牌は他家にとっては不要牌
自風牌というのは、「場」にもよりますが、基本的に他家にとっては、オタ風牌になるので、あまり重要な牌とはいえません。
つまり終盤まで自風牌を持っていると攻撃としての牌にもなりますし、守備的な安全牌としての役割もあります。
特に自風牌で対子が完成しているのであれば、子の場合ですが「1鳴き」をするのではなく「2鳴き」のつもりで良いと思います。その場合、2枚の対子は他家のリーチがかかれば安全牌として捨てるのも良い考えです。
■安全牌についてもっと詳しくは
麻雀の安全牌はこうして見つける!守りを固めればトップが取れる
3-1-3.オタ風牌は、ドラなら迷わずピンフ狙い
自分の手牌にオタ風牌のドラがある場合は、自身の手の流れにもよるので早い段階での決断が必要になりますが、対子が完成しているのであれば、ピンフ狙いが理想です。
もちろん、他の字牌や同じ種類の数牌が多ければ、※ホンイツという手もありますので、臨機応変にオタ風牌のドラを活用してほしいと思います。
初心者に多いのが思わずオタ風のドラをポンしてしまうことです。鳴いた後に役が無いと困ることになります。ポンすることがいけないわけではありません。※トイトイ、ホンイツ、※チャンタなどの役を合わせて考える必要があります。
3-2.風牌の防御としての利用方法
風牌は攻撃的な部分でも目立ちますが、防御的な牌としても役にたちます。
3-2-1.鳴かれる前に切る
まず配牌を見ます。数牌が並んだ綺麗な手ができそうです。こんなときは役牌に頼る必要はありません。役牌は早めに捨てるのが無難だといえます。
もちろん、風牌ではありませんが、三元牌も同様で、自身にとって不要牌であれば、早めに捨てて、他家の役牌を阻止することも必要になります。
相手が2枚重ねる前に捨てるという考えです。
3-2-2.自風牌は時には安全牌の最有力牌
自風牌で、場風牌にもならない牌は、他家にとっては基本的に不要な牌になりますので、ドラなどの特別な状況ではない時以外は、安全牌の有力な牌として活用できます。
例えば自分が北家でを持っている場合です。他家にとっては割と不要な牌で、安全牌になるケースが多いと言えます。
もちろん全体の河を見て、まだ1枚も出ていないような時や、他家が国士無双を狙っているような捨て牌をしている時には、危険牌になる事もあります。
3-2-3.局面に応じて風牌を残す
風牌や三元牌は、対局の流れによって、終盤でほぼ安全牌になる可能性があります。
数牌と異なり、順子という概念がありませんから、場に3枚あって、自分が1枚持っている状態であれば、国士無双以外は放銃の危険性はないと考えられます。
従って、その時に応じて臨機応変に終盤で安全牌として活用できる牌を残しておくのも他家に対する放銃を防ぐ方法になります。
3-3.風牌でつくる役満
風牌だけでつくる役満もありますが、三元牌でつくる大三元と比べると、完成させる確率は、かなり低いと言われています。
3-3-1.大四喜(ダイスーシー)
の風牌すべての刻子(コーツ)を揃える必要があり、副露はしても成立します。
の牌が字牌になっている場合は、「※字一色」(ツーイーソー)も含まれる事になるので、ルールによっては、ダブル役満になります。
3-3-2.小四喜(ショースーシー)
小四喜は、風牌を雀頭一組と風牌の刻子3組をつくれば、残りの牌に指定はありませんが、大四喜と同じく、あまり副露をすると、ばれてしまいます。
※のメンツは刻子でも可。
4.風牌の間違いとポイント
風牌で間違いが最も多いのは、役牌になる時とならない時の区別だと思いますが、今回の説明で理解をして頂けたのではないでしょうか?
基本的に、場風牌と自風牌という用語の意味を理解していれば、風牌の役牌に関する疑問も殆ど解消されるといえますので、是非覚える事をお奨めします。
■必ず親が誰かを確認して、自分の自風を知ること
■ピンフ役の場合は要注意、役牌が頭の場合ピンフにはなりません。
5.まとめ
風牌や三元牌は、諸刃の剣と言えるくらい使い方によっては、最大の攻撃力を持った牌になりますし、自身が大怪我をする事も考えられます。
特に安全牌だと思って終盤まで所有している状態で、他家の国士無双に放銃してしまうと大きな損害になります。
切り時の難しい牌ではありますが、基本的に他家に利用されるくらいなら、早めに切ってリスクをなくすこともひとつの考え方になるといえます。
下記のサイトでも字牌の扱い方の大切さを説明しています。お時間のある時にぜひ読んで見て下さい。
■字牌に関してもっと詳しくは
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[…] 出典:健康麻雀公式ブログ […]