チャンカン(槍槓)とは?
他家が加槓をした時に、さらした牌で上がる1ハン役のこと。
麻雀の役には、公式に認められている役とローカル役があります。偶然できる役もコツコツとつくる役も基本的に上がりの形が決まっています。
正式ですがあまり知名度の高くない役に「チャンカン」があります。
他の役と比べると少し個性的で、発生率が低いこともあって、あまり知られていません。
当健康麻雀でも採用はしていますが、最近まで私もチャンカン自体ローカル役だと勘違いしていました。
この役は難しい部分があり、「役自体なくしてしまおうかな?」ぐらいにも思っていました。
今回は、そんなチャンカンに注目をしてみようと思います。チャンカンは初心者には難しいルールです。難しいケースがあるということです。
それはどんな時かについても解説しておきます。この記事を読むと、あまり知られていないチャンカンを見逃すことがなくなります。思わぬチョンボもしないで済むと思います。
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1.麻雀のチャンカン(槍槓)の基本
チャンカンは、名称から考えて副露の「槓」が関連していることは、予想できますね。
ここでは、チャンカンの基本的な部分の説明を中心にしています。また、槓の種類についても説明していますので、覚えていない人は覚えておきましょう。
■槓について詳しく解説したサイトは下記です。
初心者がよく間違える!麻雀の3つのカンの種類とその手順がわかる全情報
1-1.チャンカンとは?
チャンカンとは、他家の誰かが加槓をしてさらした牌で上がることをいいます。槓の中でも加槓の時だけが、チャンカンの対象になります。
加槓という言葉が、初心者の方には少々わかりにくいかもしれません。そこで、今後の説明が理解できるように、「槓」の復習を簡単にしておきましょう。
槓の種類には、暗槓と明槓があります。暗槓は1種類ですが、明槓には、大明槓と加槓の種類があります。
1-1-1.暗槓(アンカン)とは
暗槓は、手牌の中でつくる槓子のことです。暗槓であれば、面前の状態が保てるので、※リーチもかけることができます。
誰からももらうことなく、自分で4枚揃えて1メンツとした場合です。
暗槓の手順は、まず「カン!」の発生後、4枚を全員に見せます。次に下図のように両端を裏向きにしてさらします。そして自分の手牌から離し、卓の右側に寄せて置きます。
1-1-2.大明槓(ダイミンカン)とは
大明槓は、手牌の中に暗刻がある状態で他家の打牌に対して行う槓です。一般的に、明槓と言えばこの槓子になります。
大明槓の手順は、まず「カン!」の発生後、3枚を全員に見せます。その後牌を持ってきて、下図のように卓の右側にさらします。
上家の捨て牌による槓
下家の捨て牌による槓
対面の捨て牌による槓 か
1-1-3.加槓(カカン)と小明槓(ショウミンカン)とは
加槓は、すでにさらした明刻に自分がツモをした牌を加える槓です。「ポン」をした牌に更に「カン」で付け加えるようなイメージになります。
加槓と小明槓は同じ意味となります。
手順は、「カン!」の発生後、下図のように横になっている牌の上にさらに横に置きます。
上家からの副露でさらに加槓の場合
下家からの副露でさらに加槓の場合
対面からの副露でさらに加槓の場合
以上3種類ある中の加槓の時に晒された牌で上がるのが、チャンカンになります。他の槓に対しては、上がることができないので注意が必要です。
1-2.チャンカンの聴牌の形
チャンカンの聴牌の形はどのような待ち方でも問題はありません。念の為に代表的な待ちを掲載しておきますので、忘れた人は思い出しましょう。
■チャンカンの両面待ち
待ち牌
この時に他家の加槓、例えばとした場合に、上がることができる。
■チャンカンの辺張待ち
待ち牌
実践ではこのような待ちの少ない時によくあるケースですが、他家がこのを加槓した場合に上がることができます。
■チャンカンの嵌張待ち
待ち牌
他家がこのを加槓した場合に上がることができます。
■チャンカンのシャボ待ち
これは役の性質上ありえません。
■チャンカンの※単騎待ち
これも役の性質上、自分で1枚を使用した場合の単騎待ちはありえません。しかし、※国士無双の場合は十分に可能性があります。
待ち牌
この時にすでにをポンをしている他家が、加槓した場合でも上がることができます。
■国士無双は役満の中でも出現頻度の高い役です。以下のサイトで確認しましょう。
1-3.みんながよく間違えるチャンカンの見逃しには要注意!
チャンカンで注意をしてほしいのは、上がり牌の見落としになります。中には、知らないうちにフリテンをしていた可能性もあると思います。
チャンカンがありの場合には、対象の牌は、他家の捨て牌と同様に扱うと考えて下さい。
特にリーチ後にチャンカンを見逃し、その後に「ロン上がり」をしてしまうとチョンボになります。
チンイツなど難しい多面聴リーチの場合に、「待ちは何かな?」などと考えているうちに、チャンカンされるケースが稀にあります。そんな時に見逃してしまうと、リーチ後の見逃しになってしまいます。
リーチ後に見逃してしまうともうロン上がりはできません。知らないでロンしてしまうと罰則の対象に!まれにあるケースですが知っておくと良いですね!
リーチする前に待ちを確認することも大切ですが、チャンカンのルールも知っておいて下さい。
自身が聴牌になった時は、ツモと他家の打牌や捨て牌が気になります。更に、加槓そのものが、頻繁にあるわけではないので、うっかりミスに注意が必要です。
2.麻雀のチャンカンはこんな時に狙おう!
チャンカンは、他の役のように場面で意識的にねらう役ではありません。他家の加槓の時に注意をしていることが重要だというくらいになります。
特に自分の聴牌時の時は、ツモや他家の打牌は、集中をしています。ところが、副露に関しては、集中力が途切れる事もあります。
3.麻雀のチャンカンの予備知識
チャンカンの基本的なことは理解できたと思います。ここでは、チャンカンの由来を説明しています。
3-1.チャンカンの由来や語源
チャンカンは、河に捨てられた牌以外で上がれる唯一の役です。そんなレアな役であるチャンカンには、漢字表記が2種類あります。
ひとつは、「槍槓」と書いてチャンカンです。古い書物の中には、「搶槓」と書いている場合もあります。
3-2.チャンカンと同時に作りやすい役
チャンカンは、特殊な役なので基本的に複合役はありません。ところが、唯一「※一発」だけは、複合役になります。
通常は、リーチ後に「副露」があると一発は認められません。チャンカンは、加槓をする前に「ロン」になるので、副露ではありません。
リーチ(一翻)+一発(一翻)+チャンカン(一翻)の三翻役になります。特殊な役の特殊な上がり方なので、見逃さないようにしましょう。
3-3.チャンカンとローカルルール
チャンカンには、いくつかの関連した別のローカル役があります。実際に採用されているケースは少ない役なので、事前に確認が必要になります。
3-3-1.深槍槓(シェンチャンカン)とは
シェンチャンカンは、最終局の時にだけ対応するチャンカンです。対局がオーラスであること以外は、通常のチャンカンと同様の条件になります。
半荘戦であれば、基本的に南4局で利用されるルールです。シェンチャンカンは、上がると二翻役になります。
3-3-2.両索槍槓(リャンソーチャンカン)とは
リャンソーチャンカンは、上がりの条件は通常のチャンカンと同様です。違う部分は、上がりの牌がの時だけの役になることです。
確かに役の名称は、「両索槍槓」です。言われてみると、確かに妥当な気はしますが、ローカル役なのも頷けます。
3-3-3.国士無双は暗槓で上がれる?
通常、他家の暗槓の牌では上がることはできません。例外的に国士無双の時には、他家の暗槓で上がることを認めるローカルルールがあります。
基本的には採用されていません。確かに国士無双の聴牌の時に暗槓で夢が破れるのは、辛いですね。
■国士無双
待ち牌
この場合は、を他家が暗槓したら、上がることができます。もちろん、国士無双なので、役満になります。
3-3-4.槓振りとは
槓振りは、槓をした時の捨て牌で上がることをいいます。通常のチャンカンは、加槓をした牌で上がることができる役です。
槓振りは、ローカルルールで、槓が終わった後の打牌に対して上がる役になります。何となく似ていますが、全く違う牌が該当になるので、注意が必要です。
槓とはドラが増える行為です。むやみやたらに槓をしないようにいろいろな役があり、制限が加えられているのです。
槓振りのあるルールでは、打牌には注意が必要なのです。
3-4.チャンカンに関連する格言
ここでは、チャンカンに関連する格言をひとつ紹介します。チャンカンと言うよりも槓に関連する格言です。
3-4-1.南槓に上がり目なし
をすると上がることが難しくなるという格言。実は、「南槓」と「難関」をかけた洒落のような格言なので、全く根拠はありません。
よく使われますから、覚えておくとよいかもしれません。
4.麻雀のチャンカンの間違いとポイント
チャンカンの間違いに多いのは、やはり見逃しだと考えられます。そもそもチャンカンを知らない人も多いので初心者がいる場合は要注意です。
チャンカンありのルールで、チャンカンを見逃してしまうと、フリテンの対象になります。ただの見逃しならば良いのですが、リーチ後の見逃しでチョンボになるのはやはり問題です。
チャンカンは滅多に見られる役ではありません。それだけに今は理解をしていても、肝心な所で見逃しやすいといえます。
5.まとめ
今回は、チャンカンに注目をしました。初心者の方を迷わせないために、加槓を対象に説明しています。
槓の説明の所で、表記をしていますが、加槓は小明槓とも言います。つまり、加槓と小明槓は同様の槓になりますので、覚えておきましょう。
槓とは4枚揃える行為です。対局中にはそこそこ見られる行為です。その中でチャンカンというのは頻度的には少ないケースになります。
槍槓はローカルルールではなく一般的な役なのでは…?
ご指摘ありがとうございます。
当教室でも採用はしていますが、
完全にローカルだと思い込んでいました。
すぐに記事を修正いたします。
編集部 河原
ノベタン待ちのチャンカン事例が紹介されていますが、
ノベタンを含む単騎待ちでチャンカンすることはできません。
自分ですでに上がり牌を1枚持っている状態なので
そもそも他家が加槓できないからです。
秋のスケッチさん!
ご指摘ありがとうございます。
そうですね💦
さっそく修正させていただきます!!!